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スピーディーな治療がすべてではありません。

治療の「質」が重要です。

歯科治療には、患者さんにはわからない
クオリティの差があります。

「治療が早かった」「全然痛くなかった」

これはとても良いことだと思いますし、私もできるだけこれを目指しています。しかし、単純に「早くて痛くない治療ができる」=「名医」ではないと思います。

暗く狭い口腔内で、ミクロン単位の作業をするのが私たちの仕事です。写真は不幸にして抜歯に至った歯ですが、そもそもの治療に問題があったのではないかと示唆されます。

 

大雑把に膿を出したり、炎症を薬で抑えたりすればその場の痛みはなくなりますが、問題はそのあとです。

炎症の根本的な原因となる細菌は時にかなり深い部分にまで存在します。それを徹底的に除去しようとすれば、そのぶん治療時間がかかりますし、「深くまで触る」ことによって、別な痛み(術後痛)を発生させることも考えられます。皮肉なことにたとえ感染源が深くても、見てみぬふりをして素早くパパッと治療を進めるほうが痛くない場合もあるのです。取り残された感染源はその後問題なく消失する場合もありますが、数年後に再び暴発することもあります。

 

た、修復した人工物質の隙間が大きいと再び病原菌がゆっくり侵入し、気づいたときには手遅れになるなんていうこともよくあります。粗悪な歯科治療が原因で、逆に歯の寿命を縮めてしてしまうことだってあるのです。おそらく、痛みさえなくなってしまえば、患者さんには細かいクオリティの差なんてわからないのだと思います。

不適合な修復は私自身の治療でも起こりうる問題です。こういった歯を抜歯する際に、修復治療がいかに慎重性と倫理性が問われるものであるかを痛感します。

詳しくはこちらをご覧下さい。

参考文献

(※1)

吉川ら:根管処置におけるラバーダム使用の現状. 日歯内療誌, 24:83-86,2003.

(※2)

須田英明 わが国における歯内療法の現状と課題 日歯内療誌 2011 32(1):1-10

よくある虫歯の治療。
ラバーダムという手技をしなければ、
​何年後かに悪化する可能性が高くなります。
​成功率の高い治療のためには、どうしても時間がかかります。

少し具体的なことを書きます。

急患で駆け込んでくる患者さんで一番多いのは、虫歯による痛みです。あまりに大きな崩壊の場合、神経をとる治療、根の内部の治療が必要になります。

実はこの治療はとても繊細で難しい治療です。時間が無いからと言って、ある操作を省略すると、その歯の将来的な生存率は大きく悪化します。

「ラバーダム防湿」というゴムマスクを歯にとりつける作業です。

聞き慣れない言葉だと思いますが、このゴムマスクで覆わないと、歯を削った瞬間に生来は無菌状態だったはずの歯の内部に唾液が流入し、無数の雑種菌が感染します。その感染が原因で、何年後かに根の内部で化膿することもあるのです。

また強力な洗浄液や鋭利で危険な器具を誤飲させることを防ぐ上でもこの操作は重要です。

歯科医師は全員が大学でラバーダムの必要性を習いますが、実際にこれを実践している歯科医師は、全体の5%しかいない現状です(※1)。これには日本特有の事情があります。

ラバーダムをしなくてもおおまかに神経細胞を取り除いてしまえば、とりあえず辛い痛みはなくなります。それに、ラバーダムをすると1回の治療時間は長くなりますし、人によっては苦しがる場合だってあります。

ラバーダムの意義を知らない一般の方にとっては、ラバーダムをしないほうが、「早く痛みがなくなり」「苦しくない」わけで、ある意味、患者さんには良い印象をもたれるのかもしれません。

しかも、根の治療で歯科医院が得られる収入は海外の10分の1しかなく、さらに、ラバーダムをしてもしなくてもその収入は同額という信じられない状況があります。まじめな歯科医院ほど、経営的に損をするのです。

しかし、そのほとんどがラバーダムを使用するというアメリカの歯内療法専門医の成功率が90%以上で有るのに対し、日本の成功率は50%以下です(※2)。

「ラバーダム」とインターネットで検索してみてください。全国の歯科医師がこの状況を嘆いています。患者さんにはあまり知られていない日本の歯科業界の暗い側面です。

正直に申し上げますと、私も以前は、ラバーダムをしない95%の歯科医の一人でした。

唾液由来の菌が流入しても人間の免疫力が勝れば治癒するわけですし、将来的に化膿したとしてもラバーダムをしなかったことが悪化理由であるという100%の因果関係が成立するものでもありません。逆にラバーダムをしたからと言って、100%成功するというわけでもなく、根の治療には他にも多くの難しいポイントがあり、それをすべてクリアした場合のみ治癒することになります。

それでも、ラバーダムをしなくて大丈夫という医学的根拠は存在せず、ラバーダムをしなかった時点で「全力を尽くした治療」と言いがたくなるのは事実です。

 

私にとって、ラバーダムをしない治療をすることは数年来の悩みでした。

当院が完全予約制にしているのは、何よりこのラバーダムを実行するためです。ラバーダムを用いる場合、最低でも45~60分、長くて90分間くらい、歯科医師がその患者さんに集中しなければなりません。当院では保険診療の中で行うため、高額な費用がかかるわけではなく、日本全国共通の治療費です。

一般の方には理解しにくい部分もあるかと思いますが、歯の健康のためには「慎重さ」が不可欠です。予約を取っていない急患の方の場合は、とりあえず投薬(抗生物質や痛み止めの薬)や咬合調整で一旦痛みを落ち着かせた上で、数日後にゆっくり時間をとって拝見するようにしています。まずは電話で状況を相談してみてください。